草木も眠る丑三つ刻 山陰石見の山の奥
はるかはるか昔から 大和の国にあらわれて 人をパニックにおとしいれ
災いもたらす鬼たちを 正しい神々がこらしめて 鎮めてきた物語
かぎりない闘いの再現を 私はながめていたのでした
コーフンとキンチョーの連続の中 ユーモラスな恵比寿さん
釣り竿さげて鯛を釣り お客に飴を投げました
女や子どもはよろこんで こっちこっちと拍手喝采
黒塚は 行者(山伏)とその弟子が 狐のオバケを退治するお話しですが
行者と弟子は 漫才さながらのかけ合いをするんです
写真の左が行者でツッコミ 右が弟子でボケ役です
この演目が始まったのは 午前3時でした
イキの合ったゼツミョウの会話に お客は大笑い
客席から缶ビールのさし入れがあって 弟子はそのあと 狐のオバケとの立ち回りで
なんどもでんぐり返しをするんです
ほとんど休憩なしで ひっきりなしに神楽は舞われます
天神が始まったのは 午前4時5分
暗がりからは タヌキやキツネや野ウサギたちも この夜だけは
家族総出で 目をこらしてこの神楽を 観ていたのでしょうか
あと残された演目は2つ 「鍾馗」と「大蛇」
クライマックスへ 突入します
「鍾馗」は 「塵輪」や「恵比寿」などとならんで 石見神楽では 欠かすことのできない
人気の出し物だとおもわれます
鬼の身につけている衣装は 豪華絢爛で ン百万だとききました
私も2晩 ほとんど寝てませんので ずっと朦朧としっぱなしでしたが このころになると
目はランランとして かえって覚醒し
子鬼のような顔をしていたのかもしれません
いよいよラストは ヤマタノオロチ です
宮のお座敷で ぐでんぐでんに酔っぱらて ながくなってた氏子さんたちも
ふらふら起あがるころです
若いころ どっかのディスコで(←超・死語!)夜明かししたのも 楽しかったけど
この歳になって 家族をほっぱらかして 良き夜明かしを いたしました
長い秋の夜が だんだんと薄まってきました
終わったのは 6時きっかりでした
細谷社中のみなさん ありがとうございました
夜須神社の氏子のみなさん お世話になりました